常陽リビング別冊[ハウジングガイド]で「設計事務所で建てる家特集」が組まれるとのことで
presentへinterviewのご依頼があり、設計事務所で建てる家づくりについてお話をさせていただきました。
誌面の都合もあり伝えきれないことが多々ありましたが、設計事務所の扉をノックしていただくきっかけになれば
嬉しいと思いご協力させていただきました。茨城県南地域で配布されているので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
誌面の都合で掲載できなかった部分もあり、せっかくですのでこちらのブログで全文を掲載したいと思います。
わたしたちの家づくりへの想いは、HPにも掲載させていただいておりますが、interviewという違う切り口でこそ
お伝えできることもあるかもしれません。それでは長文となりますが、ご興味のある方はぜひお読みください!
~常陽リビングハウジングガイドinterview~
Q: どんな人が設計事務所で家を建てるのが望ましいですか。
設計事務所での家づくりの最大の特徴は、設計士の個性が家づくりに反映されるという面白さだと思います。それぞれの設計士のこれまでの経験や暮らしぶりが個性となってあらわれ、問題に対しての回答も自ずと異なるものになります。設計士というと気難しい印象を持たれる方もいるかと思うのですが、実は話好きという人も大勢います。これまでどのような考えのもとに、どのような家をつくってきたのかを聞くことで、それぞれの設計事務所の想いや考えが見えてくることでしょう。ヒトが好き、ものづくりが好き、そういった方はぜひ設計事務所の扉をたたいてみていただけたらと思います。
Q:本当は知られていない設計事務所で建てる家の良さとはなんですか。
・コストに合わせた自由な設計。
例えば予算の関係、敷地の関係で間取り上の広さを確保できない場合でも、天井の高さを変えること、動線や窓の取り方などで感覚的な広さを得られることもあります。方法は様々あり、設計事務所はそういった問題に対峙し解決法を見付けることを得意としています。また、ここでいう自由な設計というのは間取りの自由さだけではなく、永く暮らしていく中での家族構成の変化にも柔軟に対応できる自由さということです。
・材料にこだわった家づくり。
一つ一つの材料や設備など、全ての物に「これ」と決まったものはなく自由な選択が可能です。例えば無垢材や自然素材を用いることもできます。自然素材は年を重ねていく毎に変化し、美しく保つためには手入れも必要となってきます。その分、建主の方の負担が増えることもありますが、しかしそれらが一つの家として形作られた時には満足感を得られ、手をかけ家を育てることが家への愛着となり、時代を超えて住み続けていくということに繋がっていきます。
・地域風土や敷地に合った家づくり。
日本には四季があり、季節毎の風景や暮らし方があります。心地良い風が吹く季節には窓を開けて外を眺めたり、反対に日が強く差し込む方向には深く軒を出して日差しを遮ったり。地域に根付いた設計事務所であれば、その土地の特性を良く知っています。決まった形を当てはめていくのではなく一から計画していく家づくりの中では、そのような地域や敷地の良さを活かし、また不利な条件を克服していくことが可能です。
Q:実は高くない建築コスト。その理由はなんですか。
ローコスト住宅、という言葉を良く耳にするようになりました。しかし予算や希望の家がどのような家かによってローコストかどうかは変わります。どういう家が自分に合ったものなのか、またそれを建てるにはいくら必要なのかを知らずに家づくりを進めてしまっている方があまりにも多い気がします。予算が無いから家が建たないと思っている方に話を聞いてみると、実は望んでいる暮らしかたに対してオーバースペックな家を希望していることが多々あり、背景には広告やネットの情報を標準と思い込んでしまっていることがありそうです。
設計士はそういったお話を聞きながら1棟ずつデザインを考え、構造を検討し、内外装の仕様を変えていきます。その分コストがかさむと思われがちですが、肝心なところに予算を回し過剰な部分を減らすなどコストバランスを保つことが出来ます。
回答者:present一級建築士事務所
一級建築士 矢口道大
一級建築士 矢口朋子